住宅ローンはどのタイミングで申し込むの?
自分がどれだけ借りられるか事前に知りたい
マイホームを買うときに欠かすことのできない住宅ローン。大きな借金を負うことになるので不安は大きいですよね。
住宅ローンを借りる際には、事前審査と本審査の2段階の審査を受ける必要があります。
事前審査は物件の売買契約前に受けるもので、一般的には買いたい物件を決めたときに申し込む場合が多いです。僕はこれまで家の購入を3度(2度売却)経験しましたが、いずれも家の購入を申し込むときに事前審査をお願いしました。
ただ、あらためて考えると、住宅ローンの事前審査は物件を決める前に済ませておくのがおすすめです。
なぜかといえば、物件を申し込む前に審査を通っておくことで、自分自身の安心感にもつながる上に、販売業者との交渉で有利になる可能性もあるからです。
この記事では住宅ローンの審査や、マイホーム購入の流れについて紹介した上で、事前審査は物件購入前がおすすめな理由を解説します。これから家を探そうとしている方はぜひ参考にしてみてください。
住宅ローン事前審査で返済能力をスピーディーに診断
住宅ローンの審査には、一般的に「事前審査」と「本審査」の2段階があります。
事前審査はマイホームの売買契約締結前に金融機関で受けるもの。数日で結果が分かる簡易的なものが多くなっています。
早ければ即日決定を売りにしているネットバンクも増えています
事前審査に必要な書類の例は以下の通りです
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 収入を証明書する書類(源泉徴収票や課税証明書、確定申告書など)
- 検討している物件の資料(パンフレットやチラシなど)
- 車のローンなど他の借入の資料
国土交通省が公表している「令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001394336.pdf)によると、事前審査では、主に以下の項目が重視されているようです。
- 完済時の年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時の年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証
- 金融機関の営業エリア
- 返済負担率
以上の項目を選んだ金融機関が全体の9割を占めています。何十年にもわたる住宅ローンの返済ですから、「きちんと返済してくれる人か」を可能な範囲で確認するわけですね。
上の中でちょっと聞きなれないのは「返済負担率」でしょうか。返済負担率とは年収に占める年間返済額の割合をいいます。
例えば、年収500万円の人が月10万円、年間120万円を返済しているとすると、返済負担率は
500万円÷10万円×100=24%
数字が高くなるほど住宅ローンの負担が重いことを意味するので、金融機関側はリスクが高いと判断します。その場合は、融資を断られたり、借入額を減らすよう求められたりするのです。
なお、返済負担率の一般的な基準は以下のようになっています
- 年収400万円未満 30%以下
- 年収400万円以上 35%以下
買い手としても、家を買うことを決めたはいいけど、お金を借りられなくて買えない。こんな事態を避けるため、早ければ即日で結果が出ることもある事前審査は重要ですよね。
これに対して本審査は売買契約締結後に受けるもの。10日から2週間程度かけてじっくり審査されます。
マイホーム購入の流れ
一般的にマイホームの購入は以下の流れですすみます。
1 物件を探す+融資を受ける金融機関を検討
2 購入を申し込む+融資の事前審査を申し込む
3 重要事項の説明+融資の事前審査通過
4 売買契約を結ぶ+融資の本審査を申し込む
5 融資の本審査通過、融資契約
6 内覧確認
7 融資実行・購入代金決済・物件引き渡し
ひとつずつ見ていきます。
1 物件を探す+融資を受ける金融機関を検討
家を買いたいと思ったら、戸建てなら住宅展示場にいったり、建売住宅の内覧にいったり、マンションならモデルルームの見学に行きますよね。
このとき、住宅ローンを借りるならどの金融機関を使うのかもイメージしておかないといけません。メガバンクにするのか、地元の金融機関にするのか、あるいはネット銀行か。自分にとって便利なのはどこか情報収集しながら検討しましょう。
ネットや書籍で情報収集をしていると、変動金利や固定金利、元利均等や元金均等といった返済方法、自分の収入や貯蓄額から考えた借りる金額の目安なども把握しやすいと思います。
2 購入を申し込む+融資の事前審査を申し込む
気になる物件や施工会社を見学して買うことを決めたら、販売業者に購入の申し込みをします。
多くの場合はこの段階で融資の事前審査を申し込みます。
物件の販売業者が提携している地元の金融機関を紹介されて申し込む人も多いでしょう。ただ、今はネット銀行がかなり便利で、店舗がない分、金利も低めに提供しているケースが多いです。
最終的に業者にすすめられる金融機関を選ぶにせよ、自分で事前にお得な金融機関を調べておいた方が後悔せずにすみます。
僕は20年ほど前に初めてマイホームを買ったとき、何も考えず言われるがまま地元の金融機関を選び、割高な金利で契約してしまったのです。
当時はネットバンクは今ほど普及していなかったのですが、その後大手銀行の方が低い金利を出していたことを知って損した気持ちになりました……。
3 重要事項の説明+融資の事前審査通過
正式な契約をする前に、物件の詳細について売主から説明を受けるのが重要事項の説明です。物件や法令上の制限、道路との関係、周辺環境などを詳しく説明してもらいます。
事前審査は、ローンを利用する人の返済能力を中心にみられますが、だいたい数日で結果が分かります。
4 売買契約を結ぶ・融資の本審査を申し込む
事前審査が問題なく通ったら、売買契約です。売買契約となると手付金が必要になり、途中で取引を辞めるハードルが一気に上がります。
手付金を支払うと、買い手の都合で契約を取りやめる際、払った分を放棄することになるのです。もしくは買い手に債務不履行があったときの違約金などとして買主から売主に支払われる金銭としての役割もあります。
手付金は上限が価格の20%と決められています。でも、そのままだとマイホームの場合は相当な額をキャッシュで払わないといけないこともあり、一般的には5~10%が相場になっているようです。
売買契約を結んだら融資の本審査の申し込みに入ります。事前審査では1~3日くらいで出た結果が、本審査ともなると10日から2週間くらいは必要になるのが一般的です。
5 融資の本審査通過、融資契約
晴れて金融機関の本審査が通ったら金融機関と融資契約の締結。金銭消費貸借契約といい、ここまでくれば引き渡しまでもう一息です。
6 内覧確認
物件の引き渡し前には、売主と買主立ち合いの下、建物などの状態を確認します。契約と異なる点がないかなど、入念に点検しましょう。
不明点を事前に指摘しておくことで、後々のトラブルを避けられますよ。
7 融資実行・購入代金決済・物件引き渡し
融資が実行されるとすぐに購入代金の残金決済。支払いが確認され次第、引き渡しが行われます。ようやくわが家への引っ越しです。
引き渡しでは、カギや各種設備の説明書などを渡されます。ここまでに内覧時の不明点を解消してもらうようにしましょう。
ローンの事前審査は物件決定前に行うべき理由
前項で見たように、ローンの事前審査は、物件の購入を申し込むのと一緒とする例が一般的です。
実際に僕はこれまで3度マイホームを購入しましたが、いずれも申し込み時に流れに乗って事前審査を受けています。
ただ以下の理由から、あらかじめ受けておくことがおすすめです。
1 借りられるか事前に分かるので安心できる
2 値引きなどの交渉をしやすい
3 購入までの時間を短縮できる
1 借りられる額が事前に分かるので安心できる
ほしい物件が決まっても、住宅ローンの審査を受けているのといないのでは安心感が違いますよね。物件を決めたはいいけど審査が通らない、あるいは希望する額を借りられないことになれば落胆は大きいでしょう。
自分の収入でいくらまでなら借りられるのかも分かるので、購入する物件を選ぶ基準もはっきりします。
2 値引きなどの交渉をしやすい
売り主にとっては、買い手の候補が決まっても、審査に通過するまで安心できません。
事前審査に通っている人の方が、本当に買い手になってくれるかわからない人よりも安心して交渉に臨めます。
買い手としては、値引きやオプションなどの交渉で多少なりとも強気に出られる材料になりえますよね。
3 購入までの時間を短縮できる
物件が決まったら、可能な限り早く入居したいものですよね。事前審査をあらかじめ済ませておけば、数日とはいえスムーズな取引が可能になります。
本審査で提出する資料は事前審査と重なる部分が多いので、必要書類をそろえる時間も短縮できます。
まとめ:ローンの審査は事前に受けて物件探しをスムーズに
住宅を買うのは人生でそう何度もないイベントです。
物件探しが一番たいへんで楽しいですが、住宅ローンを借りられるのかも隠れたポイントで、かつ一番の不安要素かもしれません。
安心してゆとりをもって家探しができるよう、前もって書類をそろえたり、事前審査を受けたりしておくことをおすすめします。
今回は以上です。ありがとうございました!
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