作文やレポートの書き出しで手が止まる
どんな文章なら読んでくれる人の注意を引けるのか
一文目で悩んだら、型を意識して書いてみてはどうでしょう
Twitterやブログやレポート、あるいは提案書や企画書に作文。社会人も学生も文章を書くことは生活と切っても切れないものですよね。
今回は文章を書くのに手が止まりがちな一文目の作り方に役立つ記事を書きました。
この記事で紹介する型に当てはめて書けば、文章に苦手意識がある人でも楽しく書けちゃいます。
実際に僕もこの型を使って20年近く文章を書き続け、仕事を楽しくこなせています。
文章には決まった型があります。そして書き出しが一番読まれる上に、最も難しい部分。ここで手が止まると全体に響きます。
今回、これまでの執筆人生を振り返りながら書き出しの型を10種類にまとめてみました。参考になったらうれしいです。
記事を読み、型にあてはめて文章を書いてみてください。人に読まれるようになるだけじゃなく、文章作りが楽しくなってきますよ。
①結論を示す
②問いかける
③悩みを提示
④注意喚起
⑤例示や比喩
⑥誰かの言葉
⑦繰り返しの強調
⑧情景描写・動き
⑨情景描写・音
⑩立ち位置を示す
書き出しの型その1 結論を示す
具体例
文章を書くポイントはまず見出しから決めること。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
書き出しで結論を示すというのは定番です。「早く結論を言え」と会社の上司や先輩にせかされた経験がある人は多いはず。
そう、社会人はせっかちなんです。子供のころに習った起承転結はどこへやらという話です。
まず結論を書いてから、その理由、具体例、結論、という順に書くPREP法といわれる文章術のパターンにも代表されます。
ネット上に情報があふれる時代。「この文章は自分が求める情報が書いてあるか」。読者は出だしで判断します。そして答えを後回しにしているとすぐ離脱されてしまいます(泣)。
伝えたいことがある場合、結論から示すのは、現代社会で最良の書き出しですね
書き出しの型その2 問いかける
具体例
あなたは文章を書くとき、何から着手しますか?
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
「ちょっといいですか?」。例えば道端で突然このように声をかけられたら、反射的に足を止めますよね。
問いかけがあれば、だいたいその質問に対する答えを考えようとしますよね。そして気になれば、次の文章も読まれる可能性が高まる。
書き出しの型その1と組み合わせると分かりやすいです。
「あなたは文章を書くとき、何から着手しますか? 文章を書くポイントはまず見出しから決めることです。その理由は~」
問いかけて、意識を向けてもらう。そして結論を出して引きつける。これでつかみはOKですね。
書き出しの型その3 悩みを提示
具体例
文章が分かりにくいと言われて困っていませんか。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
3つ目は、悩みを提示する。これはまず文章の想定読者を絞り込んむイメージです。文章を書く機会が少ない人は、そもそも文章のことを学ぼうとはしませんものね。あるいは、自分の文章力に自信があるなら読まれる確率は低い。
だったら最初から読んでくれる可能性が高い「文章力を上げたい」と考えている人を呼び込めばいいという考えですね。
実際に読んでもらって、困りごとの解決につながったら、また別の文章も読んでもらえるチャンスです。
書き出しの型その4 注意喚起する
具体例
文章はいきなり書き出してはいけません。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
注意を呼びかける書き出しで文章を始めると、読み飛ばそうとしている人が「え、なに?」と目を止めてくれる確率が高まります。
インパクトを生み出すのにとても有効です。
ただその半面、理由や結論が読んでくれた人にとって知っていることだったり、違和感を感じるものだったりすると、ほかの文章も読まれなくなるリスクがあります。
書き出しの型その5 例示や比喩から
具体例
見出しをつけない文章はゴールのないマラソンのようなもの。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
文章を読んでいると、身近なものに例えられていたり、分かりやすい比喩が示されているとイメージを抱きやすいですよね。
印象に残る表現を生み出すのはライターの楽しさのひとつ。だけどそう簡単にできるものじゃありませんよね。
例えば比喩の考え方として、その例える対象からはすぐにはイメージできないものを使う、という方法があります。
マラソンにはスタートラインやコースはもちろん、ゴールがあって当たり前。それがないってどういうこと?って思います。
比喩を上手につかいこなすのは相当難しい。僕は正直、苦手です(笑)
比喩については本ブログで紹介している「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」という書籍にも分かりやすく解説されています。
文章の教科書として書かれたものでとても分かりやすい一冊ですよ。
書き出しの型その6 誰かの言葉から
具体例
「ちょっと待って。書く前にやりことがあるんじゃないかな」
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
長めの文章に、もしもカギカッコがなかったら。僕は最後まで読むのを断念するかもしれません。
文章におけるカギカッコは、ちょっとした息抜きにもなりますし、伝えたいことをかみ砕いて伝える役割もあります。
新聞記事なんかを読んでいると、堅苦しい文章の中に誰かの言葉がバランスよく配置されています。最後の締めがカギカッコ、という構成もかなり多いです。
それを冒頭にもってくることで、印象に残るスタートがきれます。カギカッコの中にある言葉を読んだ人が、「どういうことだ」と興味をもってくれたら成功です。
冒頭に置く場合は、その文章で伝えたい主張にからむ象徴的な言葉をもってきましょう。
書き出しの型その7 繰り返しの強調
具体例
何度でも言います。文章を書く前にやるべきこと。それは…
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
Twitterのタイムラインを眺めているとよく見かける出だしではないでしょうか。「どれどれ、そんなに強調しているなら読んでみようかな」って思いますよね。
一般の文章で使う機会はあまりないでしょうが、Twitterで発信する場合にとても有効です。「炎上覚悟で言います」も同様に、SNSでしか通らないでしょうが、かなり効果的ですね。
僕はまず読みます!
書き出しの型その8 情景描写(動き)
具体例
書く手を止めて、宙を見据えて見出しを練る。僕が文章を書くときの決まり事。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
情景描写から文章を書き出すと、読者の想像力を書きたてて本文まで続けて読んでもらう効果が期待できます。
伝えたい内容につながる象徴的なエピソードがあると使いやすいですね。
モノづくりについて発信する文章だったら職人さんの動きとか、投資の失敗談だったら青ざめた瞬間の自分の動作とか。難易度は高いですが、はまったら関心が一気に増しますよね。
書き出しの型その9 情景描写(音や様子)
具体例
「カタカタカタ……」。見出しを決めずに書き出すと僕は決まって書く手が止まる。
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
情景描写は動きを表現するだけでなく、音や様子を表現することでも伝えられます。動きは見たままですが、音や様子は筆者なりの表現を工夫しないといけません。
難易度は動きのときよりさらに上がりますが、はまった時は気持ちいいですよね。
音の表現はひとそれぞれ。タイピングだったら「カタカタ」にするか「タンタン」か「パチパチ」か。個性が出そうです。
書き出しの型その10 自分の立ち位置を示す
具体例
文章が上達するコツを教えます。それは…
※注 「文章は仮の見出しを決めてから書き出すとスムーズです」という趣旨の文章の書き出しをイメージしたものです。
冒頭でいきなり「文章が上達するコツを教えます」って書いてあったら「あなたは誰?」って思いますよね。
自分がどういう人間かという説明も中段で必要ですが、まずは文章のコツを教えようとしている人が書いているんだということを伝える方法です。
必要だと感じる人が読んでくれる可能性が高まります。
専門家である権威性を示せればなおいいですね。読んでほしい人が決まっている場合、読者を絞り込むこともできます。
まとめ 型を使って書きまくろう
以上の10選のほかもいろいろタイプはあります。上記意外で僕がいつも使うものには、体言止めから入る方法です。
たとえば、読まれる文章を書く方法。それは…
分かりやすいし、キーワードをズバッと示せるのでおススメです。
文章を書くという作業はとても楽しい。本業で20年くらい書いてお給料をもらってきましたが、仕事で書くのと、プライベートで書くのとでは楽しさが違いますね。
プライベートで文章をよく書くようになってから、本業もとても楽しくなってきました。みなさんも文章を書いて心をととのえ、学び、生活を彩っていきましょう。
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