【起承転結の使い方】ビジネスには向いてないけど説得や反発を避けるのに有効(解説)

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起承転結のイメージ

学校で習ったはずの起承転結、大人になって使うことがないよね

社会に出たら「結論から言え」と言われて困惑した

小学校の作文で習ったはずの起承転結。大人になったら使う機会がめっきりなくなりますよね。

「結論を先に言え」。ビジネスマンは上司にそう言われて育てられます。

文章術で結論→理由→具体例→結論の順に書くPREP(プレップ)法が知られるように、ビジネスメールや企画書、稟議書、多くの資料は結論から書くのが原則ですよね。

悩み事を検索して読むブログやアフィリエイトサイトでも、読者がほかのページに離脱されたら困るので結論から書くのが当たり前になっています。

でも、実は世の中で、起承転結を意識した方がよい場面はけっこうありますよね。というより、みんな知らず知らずに起承転結に触れています。

どういう場面で起承転結を使うのかを意識すると、誰かを説得しやすくなったり、無くていい言い争いを減らせる可能性だってあります。

この記事では、「ロジカル・シンキング」で知られる照屋華子さんが書いた「ロジカル・ライティング」(東洋経済新報社)を参考に、どのような場面で起承転結が有効なのかを考えました。

起承転結を意識した文章を活用して、伝わる文章を書くお手伝いができればうれしいです。

目次

【起承転結の使い方】ビジネスで重視される「結論から書く」の意味は

社会人になって常に求められる「結論から先に」を実践する代表的な文章術に「PREP法」があります。

「P」はPoint=結論、「R」はReason=理由、「E」はExample=具体例、「P」はPoint=の略です

ロジカル・ライティングでは、結論から先に伝えるのが有効なケースとして、以下の3つを挙げています。

1 読み手がテーマを設定した場合

例えば、何か悩み事があってGoogleで検索する場合を考えます。

「観光地 おすすめ」で探してたどり着いた記事なのに、地名が全然出てこない。ひたすら夜景の美しさや料理のおいしさなどを説明した上で、最後の段落で「そこは北海道の函館です」ときたらどうでしょう。

おそらく読者は既に別のページに移っています。読み手がテーマを設定してそれに応える文書なら、結論を先出しするのは必須ですよね。

2 読み手が結論の検証を求めている場合

次は文章の読み手がすでに結論を持っているときです。

例えば、「夏休みの家族旅行は沖縄に行こう」と考えているとします。

その沖縄の良さについて答える文書で、根拠から書くことはないですよね。まず、一番良い旅行先は沖縄だという前提を置いて、根拠を紹介していきます。

STEP
旅行先には沖縄がすばらしいとの前提をおく
STEP
海がきれいで温かく、珍しい生き物・食べ物に恵まれていることを説明する
STEP
景色や生き物、食べ物を楽しむために最適な具体的行き先を紹介する
STEP
やっぱり沖縄がおすすめと念を押す
ススム

このような流れが自然ですよね

3 文章全体の内容をすぐに理解してもらいたい場合

3つ目は、読み手に文章全体の内容や構成を序盤で伝えることが親切だと考えられる場合です。

例えば、沖縄の観光地としてのすばらしさを書くとします。

文章の序盤で「沖縄のすばらしさの1つ目は~、2つ目は~、3つ目は~」などと書き連ね、最後に「以上のように沖縄観光のメリットは3点あります」と示すより、冒頭で「観光地としての沖縄観光のメリットは大きく3点です」と示してあげた方が、読み手は安心して読み進められます。

【起承転結の使い方】起承転結がある意味は


社会人になると、結論を先に書く方が多くの場面で読み手に親切かつ、読みとばされにくいということが分かります。

ススム

新聞記事も大事なことから書く「逆三角形」が基本です

では、起承転結は何のために習うのか。まずは起承転結の構成について見てみます。

起承転結は、漢詩の構成法のひとつとして日本に入りました。「起」で文章の導入を書き、「承」で話を広げる。「転」で場面や視点を変え、「結」でまとめる。文章や講和などで、秩序だった構成になっている意味として使われもします。良い構成の意味で使われますが、実際にはまどろっこしいですよね。

例文を書いてみます

 金融庁の有識者会議がまとめた資料で「老後資金は2000万円必要」とされた問題が物議をかもしました。
 60代世帯の貯蓄額の中央値(大きい順に並べたときの真ん中となる水準)は650万円です。多くの人が大きく足りていないことから、「2000万円などとんでもない」と批判が起きたのです。
 しかし、人生100年時代と言われる中、何歳まで働き続け、健康に生き続けられるかなど、収入と支出の状況は人それぞれだといえます。 
 投資初心者の方にとって大切なのは、早いうちからつみたてNISAやiDeCoといった税金が優遇される制度などを活用し、長期的な視点で資産運用していくことです。

これをPREP法にすると以下のようになります

結論 早いうちから長期的な視点で資産運用を始めることが大切です。
理由 金融庁の有識者会議がまとめた資料で「老後資金は2000万円必要」とされた問題では「2000万円などとんでもない」と物議をかもしました。60代世帯の貯蓄額の中央値(大きい順に並べたときの真ん中となる水準)は650万円と、多くの人が2,000万円には届いていないからです。
具体例 人生100年時代と言われる中、何歳まで働き続け、健康に生き続けられるかなど、収入と支出の状況は人それぞれ。何があっても対応できる備えをつくるには資産運用が不可欠です。投資初心者には、つみたてNISAやiDeCoなど税金が優遇される制度が有効になります。
結論 長期的な視点で将来の資産を確保しましょう。

ロジカルライティングでは、結論を先に出すよりも、根拠から書いた方が良いケースとして、以下の3つをあげています。起承転結の参考になるので見てみます。

1 書き手が自らテーマを設定した場合

読み手がそのテーマを求めていない場合、例えば、提案書や企画書なんかを作る場合です。
唐突に「~を提案します」ときても、必然性を感じていない読者は頭にはてな?が浮かぶでしょう。
その提案が必要な背景や理由をしっかり説明して、納得感をもってもらいます。

2 結論に対する読み手の反発が予想される場合

これは、裁判のニュースを思い返してもらえるとわかりやすいです。裁判長が判決を言い渡すとき、極刑の場合は量刑を伝える主文をあとまわしにします。

つまり聞き手や読み手が予想していない結論や聞きたくない結果を伝える場合に当たります。結論をいきなり示すよりも、根拠や背景を示して納得、説得するための構成が必要な時がありますよね。

ススム

少しずつ結論を導き、相手の反発心を和らげるのに有効です

3 読み手に理由を考えてもらいたい場合

前の読み手の反発が予想される場合に似ていますが、最後に示す結論について、理解を深めてもらいたいときに有効です。

中学生のときに習った球の体積や表面積の公式を覚えていますか。いきなり公式を覚えてね、ではなく、その公式になる考え方から教わった方が記憶に残りますよね。理由や背景をしっかり書くことで、伝えたいことの定着度が高まりますよね。

まとめ・起承転結の有効性

結論を最初に出すか、最後に出すか。ビジネスの現場では基本、最初に示す方が親切です。

これを言うと元も子もありませんが文章は基本的に、読まれません。新聞も読まれない前提だからこそ、見出しをつけて、見出しの大きさも変えて情報の重要度に差をつけ、読者の関心を引こうとします。

折り込みチラシも読んでもらえるように安さをアピールしたり、きれいなデザインを施したりしますよね。だから最初に結論を書くのが合理的なのです。

起承転結は逆に相手が読んでくれる前提で書いてるものですね。小説や絵本、マンガなんかは分かりやすいです。

やはり結局は、読者を想って文章を書くに尽きますね。

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