「売れるコピーライティング単語帖」でPASONAを使いこなす

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WEBライティングを勉強しだして初めて聞いた「PASONA(パソナ)の法則」が難しい

使い方がよく分からない

ススム

PASONAの法則は、普段買い手として意識せずに接している流れです

いざブログを書こうとWEBライティングについて学んでいると、ポイント・理由・具体例・ポイントの順に書くPREP(プレップ)法のほかに、PASONA(パソナ)の法則という聞きなれない言葉が出てきます。

何やら難しそうな言葉だなと思うかもしれませんが、難しい概念ではありません。

ネットで商品を買ったり、ジャパネット〇〇さんで買いたい商品があったりしたことを振り替えると思い当たる節があるはずです。

PASONAの法則は人に行動を促す文章構成を示したもの。PASONAの法則の提唱者で本書の著者神田昌典さんは、人の心を動かすには、次のような構成の文章であることが大切だと言っています。

Problem 問題=読み手が抱える悩みを明確にする
Affinity 親和性=読み手の痛み、悩みに共感し、解決策があることを感じてもらう
Solution 解決=悩みの原因を明らかにして解決策を紹介する
Offer 提案=解決策を具体化する商品やサービスを提案する
Narrow 絞り込み=購入したら満足してもらえる買い手の条件を絞り込む
Action 行動=具体的な行動(購入)を呼び掛ける

以上の頭文字をとったのがPASONAの法則です。

言っていることは分かるけど、実際どうやれば……

こう思いますよね。それは神田昌典さんとマーケターの衣田順一さんが書いた「売れるコピーライティング単語帖」を読むことで解決に近づきます。

本書は、コピーライティングについて学んでもらうというより、モノやサービスを買ってもらうための文章を書くときの言葉辞典のような使い方を想定された本です。

Problem(問題)について書くときはどんな表現が響くのか、Affinity(親和性)を表現したいときはどういう言い回しが適しているのか……。そんなことが分かる便利な一冊になっています。

神田さんいわく「あなたの書く手が止まったとき即座に、必要な言葉を選べるようサポートする本」「ベテランが傍らにいるかのようなノウハウ書」です。

これからブログを始めたい人はもちろん、文章で人に行動を起こしてほしいと考えている人はぜひそばに置いておきたい本ですよ。

 書籍名  売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる 言葉のアイデア2000
 著者   神田 昌典 、 衣田 順一
 発行元  SBクリエイティブ
 発行日  2020/4/7
 ページ数 260ページ

目次

著者の神田さんと依田さんはコピーライティングのプロ

著者の神田昌典さんは経営コンサルタントで、日本を代表するマーケッターです。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年に独立しています。

神田さんが創設した顧客獲得実践会(現・次世代マーケティング実践協会)は、延べ2万人の経営者や起業家を指導する経営者組織に発展。急成長した企業の経営者やベストセラー作家などを多数輩出しているそうです。

神田さん自身は1998年に作家としての活動をはじめ、分かりやすい切り口でビジネス書の読者層を拡大したと言われています。

もう一人の著者の衣田順一さんは、神田さんが代表取締役を務めるアルマ・クリエイション株式会社でコンテンツ戦略室ディレクターを務めています。


鉄鋼メーカーの住友金属工業(現・日本製鉄)に入り、製造業向けBtoB営業と営業企画部門を経験。脳性麻痺のお子さんのためテレワークを希望し、時間と場所の自由が効く、セールスコピーライターという仕事に出会ったそうです。


現在は、アルマ・クリエイション株式会社やクライアントのLP(ランディングページ)のライティングやアルマ・クリエイション株式会社のコンテンツ戦略の立案・実行を担当されています。

「売れるコピーライティング単語帖」の概要

「売れるコピーライティング単語帖」では、PASONAの法則、つまり

  • Problem(問題)
  • Affinity(親和性)
  • Solution(解決)
  • Offer(提案)
  • Narrow(絞り込み)
  • Action(行動)

以上の6項目ごとによく使われる言葉を並べ、そのフレーズを付記しています。

盛り込まれた言葉の数は664語。フレーズは2000にもなります。

もちろん、それぞれの項目ごとにわかりやすい解説が書かれていますので、法則を学びながら言葉を覚えるイメージです。おそらく読み進めていくと、これまでモノやサービスを買った中で、「これはPASONAの法則に当てはまるな」と思い当たることが出てくるはずです。

神田さんは「コピーライティングは、売れないという自信のなさを、どんなものでも売れるという圧倒的な自信に変える技術だ」とまで言います。

本書を読むことで、ブログやSNSを通じて商品を販売したいと考えている人は学ぶ時間を大幅に短縮できます。情報の流れを読み手視点で整理するPASONAの法則は、文章のほかにもレイアウトや企画書、レポートなどにも応用できますね。

例えば、毎年40万円までの投資について購入から20年間利益が非課税になる「つみたてNISA」を勧める文章を考えてみます。


以下は金融庁のホームページにある紹介文です。


「つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています」

これをPASONAの法則に当てはめて書き直してみました。


(P問題)2019年の金融庁審議会の試算で、老後30年で約2,000万円が不足するという数字が示された問題は記憶に新しいですよね。これをきっかけに老後の資産形成に向けて不安になっている人は多いのではないでしょうか。

(A親和性)世帯ごとに収入や貯蓄額が違いますので一概に2000万円必要になるというわけではありません。とはいえ「いま45歳で貯蓄500万円。残り15年で1500万円はきついなあ」などと考える方もいるでしょう。実はぼくも、あくまで2000万円は平均値に基づくデータであるということは意識しつつ、ひとつの目安に考えてしまっています。

(S解決策)仮に老後試算を2000万円貯めるとして、そこまで貯める戦略としてまず考えられるのが複利のパワーを活かせる投資です。投資信託などを考えるならまず「つみたてNISA」が有効ですよ。

(O提案)つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を支援する政府の非課税制度。投資はよくわからないという人でも、手数料が低水準であることなど長期分散投資に適した株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されているため、安心して投資できます。

(N絞り込み)もちろん投資にはリスクがつきもの。元本割れするリスクはあります。しかし、目先の値動きに左右されずに長い目で投資ができる人なら、経済成長とともに利益が出る可能性は高まります。絶対に一瞬たりとも元本が割れるのは我慢できないという方にはおススメできません。

(A行動)若い人ほど積み立て効果が増す可能性があります。まずはネット証券で口座を開設することから始めてはどうでしょうか。

少し長い文章にはなりましたが、行動を促すために覆いかぶせるように読み手を説得する感じになっています。

PASONAの法則のポイントを解説

ここからは、20年近く紙媒体でライターをしてきたがぼくの視点から、これまであまり意識していなかったポイントを見ていきます。

Problem・問題  文章はまず問題設定から

著者はコピーライターを「問題発見の達人」と言います。文章で人の心を動かすコピーライティングの本質をついています。


何か商品やサービスがほしいという人は、突き詰めれば痛みや悩み、そこまでいかなくても何かしらの問題を解決したいから。


ぼくが最近買ったものでいえば、Amazonのkindle端末。スマホアプリでも読めますが、読書しているといろいろ通知がきて気が散るので、集中できる端末が欲しくなりました。また、中古パソコンを買ったのは、小学生の子どもにキータッチに早くから慣れてほしいという考えからです。何か買うには必ず理由がありますよね。

こうした人それぞれの問題を先回りして発見するのがコピーライターの仕事です。本業で20年近く報道記事を書いてきましたが、深く意識していなかった発想です。でも新聞でもテレビでも、ニュースの本質は人や社会の問題を解決することにほかなりません。問題を発見する目は不可欠です。

Affinity・親和性  読み手に寄り添い共感する

人に寄り添い、共感できるマインドは、コピーライティングだけでなく、生きていく上で有用です。
ある文章の読み手に対して、見知らぬ筆者にすぐ親近感を持ってもらおうというのは簡単ではないですよね。

なので筆者としては、相手の悩みや失敗に寄り添い、自分の失敗談や恥ずかしい話を打ち明けることなどで歩み寄る必要があることを指摘します。


そのときに効果的なのが、読み手と同じ問題を抱えて克服したというストーリーです。同じ悩みを抱えていたということで親近感が一気に高まり、それを克服したというなら文章への関心はさらに増します。
効果的なのは、自分が体験した悩みや痛みを活かすということですね。

Solution・解決策  問題の解決方法があることを示す

一つ目のポイント(Problem)と二つ目のポイント(Affinity)は、読んでくれている人を文章に引き込む方法でした。


「売れるコピーライティング単語帖」では、この二つに続く解決策(Solution)も含めた3つが書き手の腕の見せ所だと言っています。

文章を読んでくれた人に、問題の解決策を示す番です。


「あれ、PASONAの法則は6つあるけど、もう商品を紹介するの」と思った方もいると思います。ぼくも思いました。残る3つはいらないのかなと。


著者によると、3つ目のSolutionで紹介するのは、商品ではなく、その背景にあるもの、「画期的な技術や仕組み」とのことです。じらしますね(笑)


具体的には「〇〇という方法があります」とか「〇〇という商品が発売されました」みたいな文章。まだ売り込んではいけないそうです。


本書では「文章がウマくなる『コツ』は〇〇」「〇〇を覚えれば『誰でも』文章が上手になります」といった解決策を効果的に伝える言葉がたくさん紹介されています。

まとめ:読み手を引き付けられたらゴールは近い

文章はどんなに濃い内容を書いても、すばらしい商品を紹介しても、読まれなければ意味がありません。読まれるためには、導入がすべて。それがPASONAの法則のP⇒A⇒Sの構成です。

ここまで読んでくれる人をひきつけられたら、後はOffer(提案)⇒Narrow(絞り込み)⇒Action(行動)につなげます。簡単に見ていきます。

Offerでは商品内容と販売条件を紹介します
コツの一つは、複数の価格帯を用意すること。こうすれば、買う・買わないで迷っている人を、「どの価格帯で買うか」に意識を移すことができます。このほかにも、特典を用意して買うべき理由をつけることも効果的です。「割引販売は明日まで」とか「購入特典としてセミナー動画もお付けします」とか「返金保証あります」とかが考えられますね。

Narrowは商品を紹介した後に買い手を絞り込む
商品の内容と販売条件を紹介した後は、購入する相手を絞り込むための文を書きます。読み手を絞り込むのは、普通に文章を書くときにそんなに意識することはないと思います。ここまできてなぜ絞り込む必要があるのか。それは成約率を上げるため。分かりやすい例は、「期間限定」や「数量限定」といったセールス手法ですね。

Actionで最後の一押し
読み手を誘い、商品を提案し、対象を絞り込んだら、最後に購入を呼び掛けます。申し込みがネットで簡単にできることや、おすすめの選択肢を示すなど、読んでくれている人がより良い選択ができるよう後押しします。

このように段階を一歩ずつ踏んでようやく成約につながるんですね。これまで自分が商品を買うだけだったときは、特に意識していませんでした。でも、モノやサービスを買ったときのことを振り返ると、同じような文章を読んで、納得して買っていました。

ただ、振り返れば、文章術だけなく、良い商品であることが大前提。そして書き手が信頼に足ることも。文章術を学びながら、信頼と実績をコツコツ積み上げることが大切ですね。

今回は以上です。ありがとうございました!

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