企画書や提案書って何から書きだしたらいいのかが難しい。テンプレートがあればなあ
長い文章を書くと、つい分かりにくい文章になる。なんとかしたい
わかりやすく読まれる文章を書きたい。だれでも思いますよね。
本業でライターをやっていますが、ちょっと気を緩めると、すぐに自己満足で分かりにくい文章になりがちです
なるべく伝わる文章になるように、過去に書かれた同じ趣旨の文章を参考にすることも多いのですが、常にやってたら締め切り時間がすぐ迫ります……。
ブログやSNSで文章を書く人が増えています。素早くわかりやすい文章を書きたいというニーズは普通の方の間でも高まっています。
「伝わるシンプル文章術」の著者・飯間浩明さんは、そんな読者の悩みに確実に伝えたいなら「クイズ文一択」だと明快にこたえています。
飯間さんは、クイズ文を「問題」「結論」「理由」をそなえた文章と定義。
ブログだったら売りたい商品やサービス、企画書ならヒットさせたいイベントなど、ゴールをはっきりさせれば、あとはクイズの型にあてはめて執筆するだけ。そんな活用が見えてきます。
文章を書く人ならどんな人も生かせるテクニック。構成を考える時間が減って効率的に手を動かせます。
書籍名 「伝わるシンプル文章術」
著者 飯間 浩明
発行元 ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日 2018年3月25日
ページ数 228ページ
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著者の飯間さんは国語辞典の編さん者
「伝わるシンプル文章術」著者の飯間浩明さんは国語辞典の編さん者。。NHK Eテレで放送されていた「使える!伝わる にほんご」の講師や子供向け国語番組「ことばドリル」の監修などをされています。
「ことば」のスペシャリストの飯間さんが文章について研究するようになったのは、大学で文章指導の授業を担当することになったから。
それまでは、普通の人と同じように「文章は何となく書いたらできあがった」。学生に指導するため文章の形式を突き詰めた結果、「クイズ文」にたどり着いたということです。
「伝わるシンプル文章術」の概要
「伝わるシンプル文章術」では、文章はたった2つに類型できると言い切っているのが特徴です。
それは「日記文」と「クイズ文」の2種類
そして、伝わる文章を書くには「クイズ文」一択だと結論づけています。めちゃくちゃスッキリしてますね。
日記文とは、出来事・事実が書かれてあり、場合によって感想がつく文章です。
日記そのものはもちろん、新聞記事や小説などだいたいの文章が日記文だと、飯間さんはいいます
そしてクイズ文とは、「問題」「結論」「理由」の3要素がある文章です。
ちょっと例文を考えてみました。
人生100年時代と言われる中、将来にそなえて毎月貯金を始めたいという人におススメの運用方法などあるのでしょうか。【問題】
その答えのひとつが政府の税制優遇制度「つみたてNISA(ニーサ)」。一度設定すれば毎月自動で投資信託を買うことができますよ。【結論】
つみたてNISAは毎年40万円までの投資に対し、最長20年間、投資利益が非課税になるメリットがあります。毎月一定額を投資するため価格変動リスクが軽減できるので、投資初心者にもハードルが低いのです。【理由】
小説やエッセー、日記だったら別ですが、仕事やブログなどで文章を書くときは、最も伝えたいことをはっきり示すことが大切。「伝わるシンプル文章」では、分かりやすい文章を書くならクイズ文だと、ぶれなく示すことで説得力がありますよ。
ちなみに飯間さんは、日記文を否定してはいません。あくまで、「伝える」ということにこだわるなら、クイズ文がおすすめだということです
「伝わるシンプル文章術」のポイント3つ
1.「ぼくの考え汲み取ってね」では伝わらない
飯間さんは、本書の中で、「汲み取ってくれるだろう、では伝わらない」と強調しています。
新聞記事で目にするコラム。朝日新聞の「天声人語」や読売新聞の「編集手帳」が有名ですが、こうしたコラムは日記文かクイズ文かで分ければ日記文にあたります。
新聞コラムでは結論を冒頭にもってくることはまずありません。だいたい末尾にあります。なので、読者が読み進めているうちに、いろいろな受け取り方、解釈をします。
こうした文章は、筆者がいろいろな解釈を読み手に楽しんでもらうためにあえてそのような構成にしているといえますが、筆者がいいたいことがあるとすれな、その結論は薄まりますよね。
必ず伝えたい結論があるなら、最後に回すべきではありませんね
コラムのように、読後の余韻を与えるには結論を後ろに回す効果があります。小説だって最後にネタあかしがあるからこそ、最後まで読まれますね。目的に応じて書き分けるということですね。
2.問題提起は「~か」の型で
じゃあクイズ文ってどうやって書き出すのという疑問がわきますね。書き出しは「~か」といった疑問形で始めます。
この型を覚えておけば、ブログや企画書などで書き出しに悩むことも減りますね。
通常の伝える文章では結論を最初にもってきますが、クイズ文では「問題」を冒頭にもってきます。
著者の飯間さんは、疑問形で文章を始めることで「読者の脳が回転しはじめる効果」を狙っていると解説します。「か」という助詞がスイッチになるのだそうです。
たしかに、講演やプレゼンなんかで話し手から問いかけられると、聞いている人は心の中で答えを考えるので関心はぐっと高まりますね。
ただ文章を読むより、考えながら読む方が印象に残ります。
3.結論に対する反論への備えも万全にしておく
問題・結論・理由というクイズ文のやや発展形です。
クイズ文の基本要素である問題・結論・理由につづけて「反論への備え」と「結論の確認」を追加して補強する有効性も指摘しています。
先ほどの例文です。
人生100年時代と言われる中、将来にそなえて毎月貯金を始めたいという人におススメの運用方法などあるのでしょうか。【問題】
その答えのひとつが政府の税制優遇制度「つみたてNISA(ニーサ)」。一度設定すれば毎月自動で投資信託を買うことができますよ。【結論】
つみたてNISAは毎年40万円までの投資に対し、最長20年間、投資利益が非課税になるメリットがあります。毎月一定額を投資するため価格変動リスクが軽減できるので、投資初心者にもハードルが低いのです。【理由】
以上の例文だけだと、「金融ショックで元本割れする可能性があるじゃないか」といった反論が予想されますね。
これに備えて、以下のような文章を【理由】に続けます。
たしかに、投資信託は金融ショックなどで一時的に大きく元本割れする可能性があります。ただかつてのリーマンショックやコロナショックといった大きな変動があったときも、長期でみると世界経済の成長は続いてきました。投資は積み立て方式で数年、数十年と続けることで、元金だけでなく利子にも利子がつく「複利効果」も期待できます。【反論への備え】
日々の値動きに惑わされることなく、コツコツと長い目でみて積み立て投資を続けるのがおススメです。【結論の確認】
「反論への備え」という考えは、ブログやアフィリエイトでも共通ですね。
ある商品を紹介する場合、メリットばかり強調しても売れません、というか、なんかゴリゴリ売られている気がして、買いたくなくなりますよね。
商品のデメリットや弱みも伝えることで信頼性が高まり、デメリットを知った上でも「買っていいかな」という気持ちになりますよね。
まとめ・クイズ文はWebライティングになじむ
ブログやWebライティングを学ぶとはじめに必ず紹介される「PREP法」という手法があります。
Point(要点)
Reason(理由)
Example(具体例)
Point(要点)
冒頭にいいたい結論をもってきて、次にその理由を書く。そして具体例を示しながら、また結論を書いて文章を締める。
「問題→結論→理由」というクイズ文の構成に似ていると思います。
ブログ記事には読みたいキーワードを検索してたどり着くことが多いですよね。このように想定される読み手が絞られるブログの場合、最初に問題や悩みを示して読者をひきつける書き方が多いです。
こう考えると、クイズ文とPREP法をミックスさせると読まれやすいですね
つまり、「問題→結論→理由→具体例→反論への備え→結論」という流れです。
一例を考えてみました。自分の例を考えたのでやや無理やりですがご容赦ください。
小学生の子どもがゲームやYouTubeばかりみて困る。解決策はないものか。【問題】
ぼくが出した答えのひとつが、子どもが遊んだゲームのプレイ映像の動画編集を覚えさせる方法だ。【結論】
自分のプレイ映像を編集する楽しさを覚えれば、ゲームプレイとYouTubeを眺める時間を減らすことができるし、動画編集のスキルも学べる。【理由】
ニンテンドースイッチのプレイ映像を保存できる「キャプチャーボード」を買って、親子で一緒に学んでみてはどうだろうか。【具体例】
キャプチャーボードは1万円以上と安くはない。でももし動画編集で稼ぐことができるまでレベルアップすれば、すぐに回収できる。編集スキルだってYouTube好きな子供ならすぐ身につくだろう。【反論への備え】
関心の方向をちょっとずらしてあげればいい。小学生にもPCノウハウのレベルアップにつながる動画編集を始めてみれば、親のレベルもアップするかもしれない。【結論】
提案文や企画文、報道記事、レポート、どんな文でも構成ばかりに頭を悩ませて書き出せないうちは何も生まれません。
あれこれ考えて時間を費やすより、自分が信じるガイドラインをつくる。それに沿ってまず書く。とにかく書く。
文章は推敲とリライトを繰り返すことでブラッシュアップされます。一度で素晴らしい文章を書ける人などいません。
自分なりのテンプレートができるまでは、既存の型にはめるべきですね。
今回は以上です。ありがとうございました!
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