転勤族が持ち家を賃貸に出した後、売却した理由【体験談】

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マンションを買ったばかりなのに異動辞令が出ちゃったよ

単身赴任だったけど家族を呼び寄せることになった。家族が住んでた家をどうしよう

ススム

ぼくは一度ひとに貸しましたが、退去後に売っちゃいました

せっかく思い切って自宅を購入したのにすぐに異動を命じられるなんていうのは、よく聞く転勤族あるあるです。

でも、持ち家を人に貸すか、売却するか、あるい空き家として管理するかといった判断を迫られ、悩む方は多いでしょうか。ぼくもそういう経験あります。

まだ子どもが小さかったので迷うことなく家族で引っ越すことにして、マンションは住宅ローンを借りている銀行の了解を得た上で、とりえず賃貸することにしたのです。

実際にひとに貸してみた感想。それは、当時のぼくには「あまりいいことはなかった」というものでした。

当時の感想としては、「貸しても住宅ローンや税金の負担が重くて収支はプラスにならないじゃないか!」というものです。

結局、3年くらい借りてくれていた入居者さんの退去を機に、そのマンションは売却しました。

売却は2018年でした。その後マンション価格はえぐいほど上昇していますので、所有を続けていれば価格は1.5倍くらいになっていたかもしれません……。

後で考えるともったいないとも感じますが、自宅の賃貸がメリットあるものかそうではないかは、転勤期間や転勤先の距離、住宅ローンの残債など、それぞれ家庭の状況次第です(と自分を慰めています)。

この記事では、持ち家を貸すのと売るのを両方体験したぼくが、改めて持ち家を人に賃貸するメリットやデメリットを振り替えります。迷っている方の参考になれば幸いです。

目次

転勤族が持ち家を売るか貸すか決める基準

転勤族のぼくだちが引っ越すことになった場合、持ち家をどうするかの判断基準は以下のようなものが考えられます。

  • 住宅ローンの残高
  • 購入後の物件価格
  • 貸しやすい物件か
  • 戻ってくるまでの期間
  • 家族の年齢や状況
  • 転勤先の場所

住宅ローンの残高

マイホームを購入するときに借りた住宅ローンの残高は、最も考えないといけない項目ですね。

持ち家をどうしても手放したい事情がある場合をのぞけば、売却額よりローン残高の方が多かったら損失が確定するのを避けるため所有を続けることを考える人は多いでしょう。

逆にローン残高がないあるいは少ない状態なら、売れば手元に資金が入るし、貸しても家賃収入が得られるので、都合に応じて好きな選択ができますね。

ススム

貸すことに慣れているので、不動産投資も視野に入れやすいですね

購入後の物件価格

住宅ローン残高とセットで考える必要があるのが、物件価格です。

購入した持ち家が、所有を始めてからどのような値動きをしているか。ネットで同じ地域の似たような物件の売り出し価格をみてみることで、ある程度は把握できるでしょう。

ぼくの場合、最初にマンションを人に貸したときに一応売却額を査定してもらったところ、2009年の購入から約3、4年たった状態で買った額から500万円ほど値下がりしているようでした。

ススム

このときは査定額が予想より低かったこともあり、賃貸することにしました

そして3年くらい貸してから売却査定をしたところ、500万円ほど回復してほぼ購入額で市場に出せることになったのです。お金じゃぶじゃぶ、アベノミクスの上昇相場の波に乗っていたのですね。

いまのマイホームの相場を把握するのにおすすめなのが、価格や家賃相場の推移がひと目で分かる「ウチノカチ」。国土交通省がまとめる過去20年間、約510万件の取引情報に基づく相場情報を見やすくまとめている無料のウェブサービスです。

ウチノカチの画面

駅名などの入力から表示まで30秒もせずサクッと可能です。価格だけでなく築年数、駅距離、面積が一覧になっていて分かりやすいです。

ススム

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貸しやすい物件か

売らずに貸すことにしたところで、借り手がつかないことにはどうしようもありません。

最寄り駅からの距離、買い物の利便性、学校環境などを考え、借り手がつきやすいかどうかを考える必要がありますね。

戻ってくるまでの期間

転勤先から戻るのが例えば2年後に決まっているなどの事情があれば、売りも貸しもせずに持ち続けるという判断もありえます。

ただその間は家賃がない中で住宅ローンの返済や固定資産税などを負担しなければなりません。十分な余剰資金が必要です。おおむね1年で100万円を超える負担となるでしょうから、かなり痛い出費です。

家族の年齢や状況

戻るまでの期間と同じように、子どもが中学校や高校に通うために戻る時期が決まっている場合も、売らず、貸さずに所有を続けるという判断もあり得ますね。単身赴任確定で辛いですが……。

転勤先の場所

売らず、貸さずに所有を続ける場合、物件の換気や管理組合の会合など、適切に管理する必要があります。そのとき、東京から北海道など距離がありすぎるととても不便です。

簡単な管理を親族にお願いできる場合もあるでしょうが、よほど関係が近しい人でないと頼みにくいですね。

賃貸にした場合も、修繕などで物件を見に行ける方がなにかと便利です。

転勤時の持ち家の対処は「賃貸派」が多数

ほかにも人によってさまざまな判断基準があるでしょうが、最終的にはやっぱり貸すことにする人が多数派です。

東急住宅リースの「ビジネスパーソンの転勤事情に関する調査2020」によると、転勤時の持ち家の対処法で、最も多かったのは「身内以外に貸した」で34%でした。「空き家」も31%と多めで、「売却」は20%です。

実際に我が家もまず賃貸に出してみることに決めました。

売却した場合、うまくいけばローンは完済できた可能性がありましたが、かつて数百万円繰り上げ返済していた分を考慮すると、マイナスになるため、売却に踏み切れなかったのです。

最寄駅から徒歩6、7分と立地はまあまあで、築浅物件だったので、借り手もすぐ見つかると見込みました。転勤からいつ戻るか分からなかったので、空き家管理は非現実的だったこともあります。

転勤時に持ち家を賃貸したときのメリット

改めて持ち家を賃貸に出すメリットをみてみます。

  • 家賃収入が得られる
  • また住める
  • 老朽化を防げる
  • 税や不動産経営に関する知識が得られる

さきほど引用した東急住宅リースの調査では、 転勤時に持ち家を賃貸することのメリットの 1 位が「家賃収入が得られる」で65%(複数回答)でした。

住宅ローンが残っている人なら返済原資に回せるし、ローン完済済みならそのまま不動産収入になります。

得られた家賃収入を元手に、新しい自宅や収益不動産を購入することも可能ですよね。

ススム

収支がプラスなら立派な不動産賃貸業ですね

そして2位が「元の勤務地に戻った時にまた住める」で40%。気に入った地域だから思い切って戸建てやマンションを購入するわけですから、いずれ戻ってこられる家を確保しておくことは重要ですよね。

このほか、空き家とせずに人が住むことで老朽化防止につながるメリットもよく指摘されます。人が住んでいれば、家自体や設備の劣化がすぐに分かって修理することができますし、また日常的に喚起されることでカビの発生による劣化の進行を防ぐこともできます。

実際に賃貸にだしてぼくが感じたメリットが、新しい知識が身につくことです。

家を貸すと、一般のサラリーマンにはあまり縁がない確定申告をする必要がでてきます。サラリーマンは年末調整という仕組みがあるため納税のための面倒な手続きを免除されています。

年末調整はとても便利な制度である半面、税の仕組みや所得に対して学ぶ機会を減らします。サラリーマンの盲点からもしれません。

転勤時に持ち家を賃貸することのデメリット

勉強になることの裏返しなのですが、貸してみてわかったのは、人に不動産を貸すということは、いろいろな手間とコストがかかるということ。

管理会社とのやり取りや確定申告、修繕要望に対する対応など、考えたり、時間を使ったりすることが多いです。

また、必ずしも入居者がすぐに決まるわけではないということも念頭に入れ、ローン返済があるなら金銭的な確保も考えないといけませんよね。

ぼくの場合は、夏の転勤だったこともあり、募集を始めてから入居者が決まるまでかかって期間は3カ月くらい。もちろんその間は家賃ゼロです。やっと入居したと思っても転勤などで突然退去することもありえますから、常に安定はないと思った方が無難でしょう。

そして、入居者からのクレームやトラブルの恐れがあるのも事実です。エアコンが壊れた、水漏れがあるなどの連絡ならまだよいのですが、近隣住民とのトラブルなどの可能性もあることも頭に入れる必要があります。

転勤してから人に貸していたマンションを売却した最大の理由は、収支トントンの状態がずっと続きそうで、いずれ赤字になることが分かっていたからです。

実際にぼくがマンションを賃貸していたときの現金収支をみてみます。

まず、収入は家賃が月15万円弱(管理費・駐車場代込み)で借りてもらっていましたので、年間約176万円ありました。。

一方、お金が出ていった項目を列記します。

  • 住宅ローンの返済 年間約100万円(月約7万円+夏冬ボーナス時10万円)
  • マンション管理費+修繕積立金 年間約24万円(月約2万円)
  • 駐車場代 年間12万円(月1万円)
  • 固定資産税 約18万円
  • 賃貸管理費 年間約11万円(月約9千円)

以上を合計すると年間約165万円になります。

176万円から165万円を引くと、11万円のプラスです。

持ち家を人に貸すことで、年間11万円浮くのかと思いますよね。

でも忘れてはいけないのが税金です。

確定申告することで、所得税と住民税が確定します。 納税すると11万円の現金収支のプラスは、なんとゼロになってしまいました。

修繕積立金が上がったり、家賃が下がったり、空室になったり、設備の不具合による修理などが発生すれば、すぐマイナスになる状態なのです。

まとめ:最終的には家族や経済状況などを総合的に考えて決断を

そのまま貸し続けてローン残高を減らしつつ、賃料収入を得ていく道もありました。ローン残高が減ることで、売却時に得られる現金収入が増えます。

しかし、転勤が終わって戻ったときにどこに住むかが、わが家には結構大きな問題でした。家族は賃貸ではなく持ち家に住みたい派。タイミングよく入居者さんが退去することはまれです。

ここはマイナスが出ないうちに一度リセットしておこうと考えました。家族構成の変化もあって、同じマンションには戻らなくてもよいとも判断し、最終的に売却を決意したという次第です。

たとえ、現金収支がほぼトントンとかマイナスであっても、マンション価格の上昇を予想するなら持ち続けた方が合理的です。一方で、収支がプラスの人でもローンを組んで持ち家を買い替えたい場合などは売却せざるを得ません。

ススム

やっぱり家庭の事情で売却するか賃貸するかの判断はそれぞれですね。

貸せば空室などのリスクがあり、売却するにしても将来値上がりして実質的な損失となるリスクもあるでしょう。大事なのは家族などとよく相談してリスクを踏まえて決断することが大切です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました!

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